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りゅーかんの高専キャリア教育論

高専生の価値、高専生のキャリアについて議論するためのブログです。

2016年の活動まとめとd.school for Kosen構想

活動報告

東京高専特別客員准教授(今年度限定)のりゅーかんです。昨年の今頃、高専向けのキャリア教育について考えるためにこのブログを立ち上げました。

ryu-kan.hatenablog.com

この1年で高専界隈の様々な人に出会い、そして学生に対してキャリアのあり方について話す機会を沢山頂きながら勉強してきました。「高専生とは一体何者なのか?」「これからの高専生は社会でどのように羽ばたいていくべきなのか」について行動を伴いながら考えてきたので少しまとめたいと思います。

母校でキャリア講演をしていたら准教授の座を手に入れた

一昨年の夏頃に母校の東京高専の先生と話をしました。「社会についてもっと伝える」「実践的な教育プログラムを提供する」「多様な企業とのマッチングの場を提供する」という趣旨で活動の提案をしたところ、「学科講演会でキャリア講演してみない?」と機会を頂き、一昨年末に情報工学科の学科講演会で『卒業して10年の先輩が語る高専生のキャリア』を開催しました。

ryu-kan.hatenablog.com

偉そうに人に講演するような人生を送ってないりゅーかんは、ぶっちゃけ学生や保護者の方々がどんな反応をするのか心配していました。結果としては、りゅーかんのプレゼンレベルが50点くらいだということが明らかになりました。あとは、誰もが多少なりとも将来について考えていることがわかった一方で、知識不足やモチベーション不足によりなんとなく自分の人生を決めてしまう学生が多いことが明らかになりました。自分が高専生の頃は全く将来について考えていなかったので驚きはなかったのですが、やっぱり残念というか勿体無いなぁと思いました。

とはいえ反応はあったので、先の記事の結びとして

学生・保護者・学校の先生方と話をする機会を今後も作り出していきたいと思います。

と書いた通り、その後の1年間でキャリア講演と授業で計3回、学生に対してメッセージを発信する場を作り出し、仲間を集めて活動してきました。具体的には、

  • 東京高専 物質工学科 学科講演会(2016年8月4日)
  • 東京高専 情報工学科 講義1コマ(2016年11月9日)
  • 東京高専 電気工学科 学科講演会(2016年12月7日)

の3回で、計11人(重複あり)の高専卒の先輩が学生に対して語りかけました。

ついでみたいなものですが、情報工学科の授業を担当する都合で「特別客員准教授」という称号を頂きました。博士課程中退のりゅーかんとしては偉くなったキブンです。

内容についても集まった仲間で考え、情報工学科の授業では恐らく高専初であろう「先生が授業中にツイッターやってる」という展開の講演を行いました。伝え方や内容についての課題はある前提ですが、この授業は結構盛り上がりました。学生がツイートをまとめてくれたので貼っておきます。

togetter.com

講演に来てくれた仲間たちも自分のブログで気づきを書いてくれたりと、講演する側にとっても勉強になったのが印象的でした。

serima.co

okoysm.hatenablog.jp

計4回の講演を通じて学んだことは、

  • 30歳前後の人間が10代後半の学生に寄り添うのは難しい
  • 人生について偉そうに語るのも難しい(答えはないし)
  • 学生は学生なりに色々と考えているしプライドもある
  • 「明日からできそうな何か」を用意してあげることが大切

などなど沢山あり、今後の取り組みを考える上で大変勉強になったと思っています。シュッとしていない講演会を眠らず聞いてくれた学生のみなさんありがとう

また、一緒に取り組んだ仲間や先生方と飲みながら高専生や高専教育について議論することも多々あり、改めて、高専界隈の人たちは高専を愛しているし、学生に対して何かをしたいと強く思っているということが理解できました。特に、普段は強面なあの先生が「高専生がいかに優れているか」について熱弁するのを聞くことが出来たりして、先生もまた素敵な変わり者なのが高専の特徴だと感じました。

この活動をしている中で、僕は東京高専同窓会の企画担当役員に任命して頂きました。来年度以降は同窓会の企画として、学科横断・学校横断のプロジェクトに広げていきたいと思っています。

2017年はd.school for Kosenみたいなものを立ち上げたい

母校でのキャリア講演をしながら、もともと考えていた事業企画について深く考える1年でもありました。

  • さまざまな先輩のキャリアを学生に伝えキャリアを考えるきっかけを提供する
  • 学校教育に伴走する形で「キャリア教育」「実践的なモノづくり」の場を提供する
  • 学生とって最適な企業やポジションを見つけ就職出来る場を提供する

 具体的な活動と様々な出会いを鑑みて、「d.school for Kosen」という構想はどうかなと個人的に考えています。

d.schoolとは、アメリカのスタンフォード大学で立ち上げられた「人間中心のデザイン思考」による社会課題解決プログラムです。ideoという有名なデザイン企業の創始者が立ち上げたプログラムであり、単位認定されない授業にもかかわらず絶大な人気を誇っています。直接見たことはないので参考情報を貼っておきます。

話題のスタンフォード大学デザインスクール -d・school- に行ってみたぞ | freshtrax | デザイン会社 btrax ブログ

「デザイン思考」を発信するスタンフォード大学d.schoolを訪問してみた

国内でもSFCや東京大学が参考にしている部分もある取り組みなのですが、「現場でのフィールドワークを通じて答えを見出す」「とにかく作る」という姿勢が高専生にぴったりじゃんと、僕は思っています。現場で高専生に敵う日本人はあまりいないと言っても過言ではないほど、高専生は現場力に特化して育てられているからです。

実は、近しい取り組みは東京高専の教授によって既に立ち上げられています。

KOSEN発「イノベーティブ・ジャパン」プロジェクト

文科省のプロジェクトに採択されたイノベーティブ・ジャパンには「社会実装教育」という取り組みがあり、毎年多くの学生が、企業や政府から届いた課題に対して現場活動を通じて解決策を見出そうと努力しています。昨年の最終プレゼンを見たのですが、学生は主体的に現場に赴き、そして自らの手でモノづくりを行うことで課題解決に貢献しており、現場の方々に感謝されていました。一部動画があるので是非ご覧ください。

www.innovative-kosen.jp

このような取り組みと、「気づきとしての講演会や教育プログラム」「成長した学生の進路選択サポート」などを繋げ、高専教育に伴走する形での事業を立ち上げ、学校と社会を繋ぐハブ機関を作りたいと考えています。風呂敷を広げすぎなところもありますが、今年はこの企画の実現というテーマで頑張りたいと思います。